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前面道路が南側の敷地に建てる
プライバシーを守りながらも開放的に暮らせる
掘り込みリビングのある家
港建設のMADORI 第6弾 。
田舎にある、南側と西側の2方向に道路のある大きな敷地。
西風が強い長岡。特に田舎の風はものすごいのです。
ということで玄関は西道路側はNGとしました。
南側玄関として、風除壁で西風を防ぐプランとしました。
あとでアルミの風除室を設ける場合ってあるけど、かっこいいものではないのでできるだけ最初からつけなくていいように考えましょう。
南側に道路がある敷地は、南側に大きな窓をとりやすいので明るくて開放的になりそう、って安易に考えると残念な間取りになりがち。
南側にせっかく設けた大開口を外からの視線を気にして、カーテンを閉めて過ごしたのでは、大きくした窓の意味がありません。道路に近くて目かくしもないプライバシーの守れない大きな窓を設けても、窓の役割を果たせていません。
日中は外が明るいので中は見えにくいから、そんなに心配しなくてもっていう考え方もありますが、大事なのは実際に外から家の中が見えるか見えないかという事実ではなく、中にいる住人が見られている感じがするかしないかっていう心理的なことの方が重要ですからね。
この家のリビングは道路からある程度距離をとって塀の目隠しをして、外からの視線を遮ることで、プライバシーが守られる。
リビングに設けた大きな窓は日中カーテンしなくて済み、明るくて開放的に使えます。
でも実際、町内で回覧板なんかを置きに行ったときに、リビングの前を通る際は、くつろいでる風景をのぞき見するようで私なんかは気まずいですけどね。なんでリビング丸見えの配置なんだろうって思っちゃいます。見られる方もイヤだけど、見る方もなんかイヤなもんで。
なるべくプライベート空間をのぞき見されないような工夫が必要です。
耐震等級3(耐雪1m)。
耐風等級2
断熱性能はHEAT20 G2クラスで設計。
今回は近くに車庫があるので、この敷地にはカーポートは設置しません。
駐車スペースは夏場に使用したり、来客用として使ったりということで想定。
黒いガルバリウム外壁に木のアクセントを程よく入れた外観。
屋根の水平線を玄関側に統一することで、全体の安定感を出していきます。
また、1階と2階の袖壁の出を一致させたり、窓の大きさや位置ラインを考えてあげることで、全体的にまとまりのある外観になったかなと思います。
カーポートはないけれど、車は2台駐車できるスペースを確保。
玄関左には伸びた屋根の下に自転車を置けるスペースも確保してあります。
敷地は広いので、どこに建てても良さそうだけど。
有名な建築士は、道路から少し距離をとって、アプローチは長いほうが楽しいなんておっしゃってますが、長岡はどうしても冬場の雪のことを考慮しなきゃなりません。
長いアプローチは、除雪はどうするんだと。それと駐車場2台から3台分確保しなきゃならないので、その地盤には雪のことも考えてコンクリートにしなきゃならないし費用が掛かる。
こういった考えからすると、長いアプローチはぜいたく品。
セオリーから行くと駐車場分が確保できた後ろに住宅を建てるのが最短距離でしょうね。
耐震等級3 (耐雪1m)
耐風等級2
で構造計算。
右の検定項目のすべてにOKがついているのがわかると思います。
先ほど言った通り、リビングの大きい窓の前を通って玄関にアプローチする家にならないように塀でプライベート空間を保護します。
来客が玄関に入る前にリビングに視線が向いちゃわないように。
道路からの視線、玄関にアプローチする来客の視線がリビングにいて気にならない配置。それでこそくつろげるリビングになります。
玄関入ったところ。
来客からリビングがダイレクトに見えないように壁を配置。
その壁の上部を四角く切り取ってくりぬくことで、階段の吹き抜けから、2階の東西についた窓の明かりが落ちてくる。
右を見れば、窓から中庭のような庭が見える。
この窓からも、リビングが見えないような取付位置にしてあります。
すべてを見せるのではないけれど、程よく視線の抜けを作ってやることで、実際の玄関スペースよりも広く見せられる。
窓は明るさをとる以外にも視線の抜けを作ったり、絵画のように風景を切り取ったり、外の状況を確認したり、なんて役割がいっぱいあります。
高価な窓ですからね、明り取りだけの意味で終わらないで、いろんな意味をつけれたらお得感満載。
中庭が見える窓。
いろんな来客もある玄関からはプライベート空間であるリビングは見えないような配置。
玄関て、家を出る際の出発点。この窓から今日の外の天気とか確認したり。
アトリエ。
物を作ったり、ミシンをしたり、モノづくりの工房。
棚には材料を置いたり、仕上がったものを飾ったり。
玄関とつながっている土間空間なので、来客にもさりげなく自作の品をご覧いただける。
また玄関とつながっているので、ワークショップなんかで品物を外に出さなきゃいけないときも持ち運びが楽ですよね。
玄関から目かくし壁を左にずれると、キッチンとリビングが見える。
帰ってきた子供や来客にも声がかけやすい位置。
1階がほぼ見渡せるキッチンは司令塔。
リビングダイニングや階段の吹き抜けや玄関も見渡せる。
家族やみんなの顔が見える位置。
ここから外の風景も望めるし、家事の中心として家の中心として、どこにでもアプローチしやすい。
キッチン脇には1.3帖分のパントリーも設けました。
これがあるとないとでは、キッチンの片付き方が違うわけですよ。
掃除機とか、リビングで普段使うモノたちもここに収納。
ダイニングテーブルに座った様子。
東・南・北に窓を配置。
周囲からの視線が気にならないように塀を設けたり、窓位置に配慮したりして、外からの視線を遮りながら、部屋からはくつろぎながら庭や空が眺められるから、屋外へのつながりが持てる開放的なリビング。
道路方向と隣の家方向に設けた塀。
隣の家の植栽を借景として拝借。
掘り込みリビングのいいところは、階段部分に座れたり、周りに壁がありそれを背もたれにしたりできるので、いろんな方向を向いて座ることが出来るところ。
ダイニング・キッチン方向を見て家族と会話したり、窓方向を見て外を眺めたり。テレビを見たり。
自分の好きな方向を向いて座れる。
また掘り込んである分、普段はあまり見ることのない視線の高さが生まれます。
座る位置によって様々な視線の高さになります。
それにより、普段と違う非日常感がリビングの楽しさにつながります。
長い軒と木立で、太陽の直射光を防ぐ。柔らかい陽射しの差す心地よい縁側空間に。
周囲の視線は遮っているけれど、空は何も遮るものがなく抜けている、自分たちだけのプライベートガーデン。
こんな風に庭が広いからテントを張って、外でお泊りしたりできるのが最高。
自宅なのに非日常的なアウトドア遊びが出来るのもいいものですよ。
たまにうちの町内でも、庭でテント張ってバーベキューなんかしてる。
イメージはそんな感じ。
塀の外からこの庭が見えにくいようにしてあるので、ゆーったり好きに遊べちゃう。
夜うるさくするのだけ気を付けましょう。
外遊びが好きでも、夏の暑さには勝てないので我慢せず涼みに部屋に入りましょう。
縁側と大きな窓のおかげで、部屋中に入っても中と外がつながっているように感じられるから、涼みながら外遊びを一緒にしている感覚で。
休憩して、また外に出たくなったらという自分のペースで外遊び。
一人になりたいときってあるよね。そんなときの籠り部屋。
一人になって、本を読んだり昼寝したり。ぼーっとしたり。
そんなことができる一人だけの居場所。
こもり部屋って落ち着くけど、閉鎖的すぎると寂しくなって長くいられない。
そんなわがままにお答えする、開放感を感じられるように小窓から庭を見れる位置としました。
庭を見ながらひとりの空間を楽しむ。
また、出入り口からはダイニングが見える位置にしてあるので、家族の気配が感じられる。
一人になりたいのに、閉鎖的すぎない、寂しすぎない、適度な閉鎖感とするわがままこもり部屋。
女性陣が多い家族は1階と2階に洗面を。
洗面台の隣にメイクスペースも。
そんなに広くはないけれど、一人は洗面台に立ち、一人はメイク。
同時進行も可能だから、朝の混雑解消。
脱いで、洗って、干して、しまうがすべてできる脱衣&家事室。
広さは3.8帖。
朝の混雑を緩和する。
洗面台の取り合いにならないための2階のセカンド洗面台。